【インテーク】あなたの下着、呪われていますよ

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【インテーク】あなたの下着、呪われていますよ

「あなたの下着、呪われていますよ」 「はい?」  恥かしさなんて欠片もない淡々とした口調で、目の前の青年が言った。  艶やかな黒髪をきっちりとひとつで縛った清潔感のある彼の年齢は二十代後半だろうか。涼しい目元がとても理知的な印象を与えるのに、言っていることが残念すぎる。思わず呆けた顔で彼を見る。 「よろしければ少しお話しませんか?」  新手のナンパだろうか。身長が高く、モデルのように顔立ちの整った青年だ。黒の細身のスーツを美しく着こなしている。ナンパするほど女性に困っているようにはとても見えない。それに、だ。仮にナンパだとして、なぜ猫を連れているのだろう。  連れている? この表現は間違っている。正確に言えば、頭に猫を乗せているのだ。ほうっとため息が出てしまいそうなくらいに美しいブルーアイズに、雪のような真っ白い毛の猫を頭に乗せたまま、彼は私に話しかけてきた。肩乗りの猫なら動画サイトで見たことがある。しかし、帽子さながら頭に生きている猫を乗せている風変わりな人間を生まれてこのかた見たことがない。 「ごめんなさい。時間がないので」     
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