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「ドクターではなくて、心理士です。悩める女性の味方というほうがしっくりくるかもしれません」
やわらかなほほ笑みを浮かべた彼の頭の上で、目の座ったしろねこがぴくっとピンクの鼻を動かして「早く『うん』と言いやがれ」と、さも言いたげに私を見下ろした。
「わかったわよ」
誰にも話せずにいた悩みはある。さらにここ最近の妙な出来事を、こうも的確に言われてしまっては従うしかなさそうだ。
「ここらにいい喫茶店があるんです。ご案内しますね」
ほほ笑んだ彼の頭の上のしろねこが同調するみたいに「にゃあ」と鳴いた。
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