【相談内容】別れた男は下着フェチ

3/3
前へ
/17ページ
次へ
「なに言ってるんだよ、千歳! 俺はいやだよ! 絶対に別れないから!」 「もう無理。ずっとガマンしてきた。これ以上はつき合えない」  彼は私の足にすがって泣いた。何度も、何度も「別れたくない」と連呼して泣きじゃくる姿は、立場は違えど、金色夜叉の貫一とのお宮のようだった。  私は執拗にすがりつく彼を振り払って別れた。イヤガラセとかされるだろうか。未練たらしくメッセージや電話の嵐になるだろうかと危惧していた。けれど、彼から連絡は嘘みたいになかった。  肩透かしを食った感はあったけれど、思ったよりもあっさり別れることができてホッと胸をなで下ろした。これでやっと解放されるんだと思ったら、涙が溢れてとまらなかった。  彼と別れたあとに大量に残った下着は、気に入っているものを何着か残して全部捨てた。残した下着もそのうち買い替えよう。そう思いながら――
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加