ご相殺(ごあいさつ)

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ご相殺(ごあいさつ)

 やっぱり訳が分からんな。そもそも一旦起きて再度寝たらまた同じ夢という時点でそもそもの[夢]という概念に疑問を抱く。しかしこれはチャンスかもしれない、新しい自分らしさを見出だす。そう思った僕は彼女にも気さくに話しかけた。「それで君、えっと、西田だっけ?」音海「音海でいいよ。」僕「じゃあ音海は数珠使いにはなれたの?」彼女の話から察するに手には持っているらしい。しかし何故腕にはめないんだ?と疑問に思っていると、音海「実はね、う~んと今から言う事はこの世界のルールみたいなものなんだけれども…」何々メモメモって書くものないか。「テイスターが出来て数珠使いになると、1つ1つの数珠を発光させることによって能力を解放させるの。但し全部で10個あるんだけどその全てを発光しきるか、テイスターが起きて[モデルルーム]に戻るかしないと数珠は外せないの。そんで私の能力というより二つ名は【ご相殺(ごあいさつ)】、まぁあれだ簡単に言うとしゃべるだけで人ぐらい殺せるという訳よ。」んんんん??モデルルーム=現実世界のことかな?いやいやもっと重要なことがあったろ、【ご相殺】だと!!?すると彼女は僕を近くのスラム街のような所に連れて行き、柄の悪そうな連中にこう言い放った。「よぉ私は西田音海、まぁ音海でいいよ。私に喧嘩で勝ったら何でも言うこと聞いてやるよ。」いやいや、いくら相手が相手でもいきなりは?と思ったがさすが彼らだ恐らく喧嘩自体がしたくて仕方がないのだろう。指をポキポキ鳴らしている。すると彼女は僕に「今から私は必要時以外しゃべらない、というよりかはしゃべれない。だから手話かジェスチャーか筆談で…」彼女は言い終わると待ってましたかと言わんばかりに数珠をはめた。次に向かってくる彼らに【あ~した天気にな~れ。】といった。何ふざけているんだと彼らの攻撃が彼女に届こうとしたその時だった!信じがたい光景を僕は目の当たりにした。彼らの額には弾丸で撃ち抜かれたような痕があったのである。当然即死だった。彼女に自身の声の秘密について聞いた。すると彼女は「声自体というよりかは発したことによる衝撃波(音波)を様々な武器にイメージで変える事が出来る能力」と書いた。またチンピラどもも撃たれた後、ロウ人形になっていたことからこの世界の【NPC】的な存在だったようだ。次に自分たちの前に黒い制服のようなものをきた男が現れた。
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