ようこそ夢の世界(ワンダーランド)へ

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ようこそ夢の世界(ワンダーランド)へ

 僕は斎藤優(ゆう、ではなくまさる)。高校3年生だ。極悪非道という訳ではないが、特に取り柄もないので合コンで僕のことを女の子に紹介するのはオススメしない。そう何もかも普通なのだ。今正に授業中に寝落ちしようとしている。えっ、サボるのが普通?いやいや、真面目過ぎず、怠けすぎずという見地からみたら普通だろ。(言い訳か。)      「おいお前そんな所にいたら危ないぞ!」いきなり何だ!と振り向くとそこには銃を持った少女がいた。すると彼女は立て続けに無線で「テイスター候補が現れた。一旦訓練を中止するどうぞ。」無線の相手「重要案件1了解」んんんん?これ夢だ、よ、ね?と問うと彼女は確かにこれは夢だが、でもある種もう一つの現実かなぁ。と答えた。次に彼女から質問仕返してきた。「私の名は西田音海(おとみ)で数珠使い候補だがテイスターがいないと本部から数珠が貰えない。かといって容易にテイスターになってもらっては困る。何故ならこの夢(ワンダーランド)で起きた出来事は現実にも影響するからだ。」僕は再三の注意を受けたのにも関わらず、受諾してしまった。普通の人には新しい発見というものがいとおしいのである。               斎藤、斎藤!今度は何だ!なんだ先生か。いやいやなにが“なんだ"だ。いかに先生にバレずに寝るかがポイントだろ。いやこの際寝ること自体よりも夢の中の“内容"が重要…な気がする。しかしテイスターだの数珠使いだの訳が分からん。そういえば今気付いたことだが、視界の左下にタイマーがある。“あと23時間38分"と刻まれていた。      帰り道、僕は通りすがりのおじさんにもタイマーがあることに気付いた。よく見ると“あと3分"カップラーメンか、冗談はよせよ僕!よし0分になるまで待ってみよう。なった瞬間自分の視界が歪み直ったと思ったら“その"おじさんは消えていたのだ。気になった僕はまたまた通りすがりのおばちゃんに「今ここに50歳前後のおじさん歩いていましたよね?」首を横に振る。他の人に尋ねてみても同じ反応。もしかして、“0"になったら“存在ごと"消える?そう僕は“あの時"とんでもない契約を少女と交わしていたのだ。しかも“夢の中"で。       帰宅後、おどおどしても仕方ないと思った僕は再び“夢の中"に入れるようすぐさま床に就いた。西田「改めまして、ようこそワンダーランドへ!」
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