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「森の方に行くな」
「うん」
こそこそと、二人は一生の追跡を開始。犯罪者と間違われて通報される前に、何とか秘密を暴いて止めさせなければならない。
その一生は、警戒している割には尾行に気づかないらしく、真っ直ぐに森へと入って行った。一体、何なのやら。
「なんで森?」
「さあ」
一生の本当の棲み処でもあるのかと想像していた侑平だが、疑問を呈する崇のおかげで違うと理解した。同時に、かなり謎の行動らしいとも理解する。
「あっ」
すると一生が、とある大きな木にある穴の中へと入ってしまった。ひょっとして、ト○ロでもいるのかと、侑平は変な期待をしてしまった。
「んなわけねぇだろ」
が、そんな妄想は、あっさり崇に打ち破られる。だったら木の穴は何だ?
「行くぞ」
「うん」
二人は突撃しかないと、木に近づいた。そして、スマホのライトを点け、中を照らす。
「なっ!?何だ?」
「にゃあ」
「ぎゃにゃぁ」
「みゃあ」
そして、その明かりのせいでカオス到来。一生の声だけでなく、多くの鳴き声が続いた。
「ーー」
「な、なるほど」
「全く。この先も面倒を見るつもりだったんですか?」
「すみません」
寺に移動し、事の顛末を知った薬師は、呆れ顔で一生に問う。その一生は、どうしたものかと、仔猫五匹を抱えて小さくなっていた。
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