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此処は、処刑台刑務所なんだ。
必ず死ぬ運命で、この刑務所に輸送されるんだ。
何故なんだ?
あの女を処刑すれば良いだけなのに…
疑問に思って、聞くことにした。
(何故、あの女は死刑にならないんですか?)
(簡単なんだよ。精神鑑定で無罪で、病院での治療
が、一度判決が確定したら、変わる事はないんだ。)
多重人格とは思えない。
人を殺す事が楽しみだけだ!
弱っても息の根を止めるまでやめない…
気が狂ってるとしか思えない。
俺も人を殺したけど…
あんな風に、殺人鬼に思えたのは初めてだ。
血まみれになっても笑いながら、殺す事が楽しみなのか?
痛みすら忘れるくらいに、頭がイカレテルのか?
また、アナウンスが流れた。
『今から、散歩に出られる!全員部屋に戻るように
決して、外には出るな!』
囚人達は、急いで戻った。
そして、窓からあの女を見た。
看守達が見守る中にアイツはいた。
そして、アイツに逢いに来た男がいた。
アイツは、その男に抱きつき、微笑んで見せた。
男も、愛する女を抱きしめるかのように、優しく抱きしめていた。
不思議だったのは、女が手を使っている姿だった。
不思議に思って、聞いて見た。
(あの男は、アイツのなんなんでしょうか?)
(お前は、初めて見るんだな! あの男はアイツの兄
だ!親からの暴力で両耳が聞こえないらしい!
だから、手話って知ってるか?
手話で会話しているんだ。
アイツが、最初に殺したのは自分の両親だ。
兄がいない日に事件が起きた。)
アイツが、楽しそうに話して笑っている姿
異様なくらいに、不思議な感じがした。
殺人鬼ではなかったのか?
兄の為に、殺人鬼になったのか?
そんなにも、憎むような関係だったのか?
アイツは、殺人鬼にさせられているのかもしれない。
そんな不思議な感じがした。
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