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「すいませーん!!今日のふれあい牧場は終わりでーーーす!!」
やがて夕方になり観光牧場の営業時間が終わる寸前、牧場の飼育員はヤギやヒツジ達をけしかけて厩舎へ帰らせようとした。
「やだーーーーーーーー!!『チョコ』ーーーーー!!行かないでーーーーー!!」
「美由!!もうヤギさんはお帰りの時間なの!!美由も帰らないと、最後の送迎バスの時間過ぎちゃってかえれないよ!!」
「やだーーーーーーーー!!かえれなーーーい!!『チョコ』と遊ぶまでやだーーーーーーーー!!」
「美由!!我が儘いうんじゃない!!パパと一緒に帰ろう!!」
「パパずるいーーー!!」
牧場の柵の前で親子喧嘩してる時、すっかりヤギ達が厩舎へ戻っていった中。
ただ1頭、あの黒ヤギの『チョコ』が、牧場の飼育員の側を甘えて寄り添っていた。
「あれ?『チョヨ』。まーた泥遊びしたね?『チョヨ』、本当に泥遊び好きねえ。
名札まで汚して・・・」
飼育員は、黒ヤギの泥が跳ねて汚れた名札をタオルで拭いた。
「『チョヨ』・・・」
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