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星のふるさと
夕闇に夜の帳が下りますと、空には幾千幾万の星々が輝きます。
赤い星に青い星、瞬く星に静かな星、明るい星に暗い星。
星空の下で眠りを得るものたちは、疲れた体を休め、明日の命を夢見ます。
その小さな手を伸ばし、いつかあの星を掴む日まで。
常夜の国では、星がよく降ります。
星の降る里に住む人々は、流星群が近づく頃になると、星明かりを頼りに土を耕し、星が降るのを待つそうです。
手のひらを痛めながら、銀色の鍬を振り下ろして土を耕します。
ふかふかに柔らかいその土が、星たちの苗床なのです。
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