第五章

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「ふらっと、スニーカーで――」 「本当に? 裕二はスニーカーを嫌ってたよな。『俺にはこの靴が一番が似合うんだ』って、靴に拘ってた」 「喧嘩したからよ! 女の一人暮らしは無用心だから、靴を置いて行くって」 「喧嘩したから女物の靴を履いて出掛けちまったって言うのか? この靴はオーダーメイドだ、自分の足と同じなんだぜ。それになんだ、あの袋の中身は? 大量の業務用洗剤とミキサーの空箱、もしかして裕二はまだこの部屋に居るんじゃないのか? 息を殺して隠れているか、それとも――」
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