第1話 フィーバーな朝

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 今日は2月14日、オールタイム・チョコフィーバーが起こる日だ!  僕はカッと目を覚ました!  いつもは寒くてなかなか起きれないのに、今日は5時に目が覚めた。きっと僕のセンサーがチョコの気配を察知しているのだろう。  早速、枕元を確認する。さすがにクリスマスのごとく枕元にバレンタインのチョコを置きに来る女子(以下ベイベ)はいないようだ。まあいい、2月14日はまだ始まったばかりだ。チョコを渡すのもなかなか勇気のいる行為だろうし、まだ躊躇しているベイベたちが多いのだろう。  自分の部屋から出て階段を降り、リビングに行く。リビングでは奈津子と芳子が朝食を用意していた。 「奈津子、芳子! おはよう! 今日も綺麗だね!うん、今日も朝食が美味しい!」  奈津子も芳子も朝から化粧もバッチリ、二人とも派手なワンピースを来ている。 「純平、バレンタインのチョコは夕方でいいかしら。今日の夕食の買い出しのついでに買いに行きたいの」  奈津子が言った。 「ああ、いつでもオッケーさ! 待ってるよベイベ!」  奈津子は僕の母で、芳子は僕の祖母だ。二人とも、「お母さん」「お婆ちゃん」と呼ぼうものなら泣いて悲しむ。年をとってしまったと痛感するらしい。しかも毎日綺麗だよと言ってあげないと拗ねてしまう。  
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