第1話 フィーバーな朝

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 僕は一人っ子で、兄弟はいない。奈津子は離婚していて父は一緒に住んでいない。芳子の旦那、つまり僕の祖父は僕が産まれる前には亡くなっていて、我が家は僕、奈津子、芳子の三人家族だ。  そして、僕は、小学校から最近転校するまで男子校で過ごした。なので、僕の世の女性の基準は奈津子と芳子である。  中二になり唐突に奈津子が離婚してしまったため、一ヶ月前に引っ越し、中二の三学期という中途半端な時期に共学の中学校に転校した。  男子校にいたころは、学校でのバレンタインは都市伝説のようなイメージだったが、さすが共学、今月に入ってからというものクラスのベイベたちはバレンタインの話題で持ち切りだ。間違いなく今日はわんさこチョコを受け取ることになるだろう。
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