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額を人差し指で“うりうり”と撫でて、撫でられたオウカが頭を小刻みに
揺らす。あの真っ黒な液体はオレにはまだ早い。一頻りオウカの頭を撫でた
母さんは、椅子に引っ掛けていたエプロンを手にしてはスーツの上から
羽織り、背中をオレに向けて来る。抱いていたオウカを下ろして母さんの
エプロン紐を閉めながら。
「オレも朝食手伝う?」
「大丈夫。それに今日の夜は明進人でしょ?」
「あれそだっけ? 日曜じゃないの?」
「もう、昨日は疲れた様子だったから母さんが変わったでしょう。」
「確かに! じゃあ今日の夜はオレかー。」
「ん。だから向こうでテレビでも見てなさい。」
そう言うと母さんは台所に入って行き朝食の準備を始めた。オレは母さんに
言われた通り、テレビ前のソファーへ胡座をかいて座る。その胡座の上を
目指してオウカ飛び込んで来てはそのまま寛ぐ。疲れててすっかり忘れ
ちゃってたけど、昨日はオレが夕食当番の日だったな。一週間に一度は
オレが母さんやツクモの夕飯を作る日。まだ作る時には母さんの監督付き
だけど、何時かは一人で母さん達に美味い料理を作りたいもんだぜ……。何て、
ソファーに座りながら考えては、ソファー前のテーブルからリモコンを
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