第一章

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 取ってはテレビの電源を入れる。特に見たい物がある理由じゃないけどね。  点けたテレビの番組を適当にポチポチ回す。ふと、胡座の中でオウカが  テレビを見詰めている事に気が付いた。 「……。(チャンネルを変える。)」 『───』 「……。(またチャンネルを変える。)」 『!』  オウカが興味を示したのは格好良い芸能人の誰か、ではなく。その誰かが  調理している朝ご飯だ。作ってるのはスパゲッティ? だと思う。何か色々  すげースパゲッティを誰かが作ってる。暫くオウカと一緒に美味そうな  スパゲッティが出来上がるのを最後まで眺めて、内容が朝の芸能ニュースに  切り替わった所で、オレもオウカも興味を失った。テレビではなんたらが  どうたしたとか言っている。オレは片手でオウカを撫で、もう一方でスマホを  取り出しては修行仲間グループへ。 『休みだー! 今日は休み!』  メッセージを送った。待つ事もなく直ぐに白波、少し遅れて奈那乃から。 『そうだね。』 『そうね。』 『寺の修行も今日は無いんだしもっと喜ぼうぜ! つまり一緒に遊ぼう!』  折角の土日も寺で修行して過ごしたけど、今日は寺もお休み。だから  今日は目一杯遊んで過ごすぜぇ! 意気込むオレは二人からの返事を  ワクワクしながら待つ。     
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