第一章

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『ごめんね明進人くん。ぼく今日はちょっとお母さんとお父さんと一緒に  出かけるんだ。』 『わたしもヤッチャンとこれからお買い物に行くから無理。』 『おい……。嘘だろ? なんてこっただよ。』  オレは怒涛の悲しい表情のスタンプ三連撃をかましアプリを終了。  はぁ……。落ち込むオレへ母さんが。 「朝ごはん出来たわよ。」 「あーい……。」 「またさっきと打って変わって気分が沈んでるわね。どした?」 「友達、皆、居ない、オレニハオウカダケ。」 「お友達の皆には用事があるのね。それは可愛そうだけど此方もお願い。」 「ワカタ。」  オレはソファーから台所へ移動しては、母さんから火扇の朝ご飯を受け取り、  受け取った朝ご飯を手に持ちサンダルを履いては庭へ。途中家の中から  庭までオウカが付いて来ようとしたけどそれを何とか思い留まらせ。  庭に生えている二本の止まり木の一方へ、母さんが用意したご飯の容器を  引っ掛ける。すると直ぐに家の屋根の方から薄赤色の鳥型ツクモが庭の  止まり木へ飛び下りて来た。それは母さんのツクモで火扇。オレは木に  止まった火扇の胸の辺りを、人差し指の背で一度撫でる。撫でられた火扇が  小さくお辞儀を此方に見せてくれた後、止まり木に引っ掛けられた器から     
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