鼻歌

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鼻歌

 大阪に遊びに行った時の事。例の一粒ウン百メートルの看板を見て、なぜか頭の中には有名なチョコレートのメロディが流れ出した。あんまり頭の中をぐるぐる回るもんで、つい鼻歌で歌ってた。そしたら知らないおばちゃんが話しかけてきたんだ。 「あんた、チョコレート好きなん?」 「え?」 「チョコレート。今、歌とったやろ?」 「あ、まあ、好きですけど」 「ほな、これあげるわ」  おばちゃんは鞄の中に手を突っ込み、取り出したものを僕に握らせた。 「あ、ありがとうござ……」 「ほなねー」  おばちゃんは速足で去って行った。  
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