穴山くんの受難

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こっふんは円墳の形をした緑の大きな頭に、豊かな自然をイメージした緑と茶色のストライプがおしゃれな丸太状の胴がついておりまして、初見の方は十中八九「えっと…毒きのこ?」と仰います。足元のブーツが副葬品の土器をイメージした素焼きのつぼのデザインなので、間違えようがないと思うのですが…。 よろよろと立ちあがると、頭の上からなじみ深い声が聞こえてきました。 「おい!穴山!大丈夫か!あっ、お前ら!…あぁん?チゲーよ!魔物じゃねえよ!ばかじゃねえの!こいつは、こっふんだっつーの!だーからー!魔物じゃねえって…ちょ!その刀、危ねぇだろ!下せって。ぎゃああ!」 次の瞬間、ぼくの頭が…。 いえ、厳密には、こっふんの頭の上半分が吹っ飛びました。剣で発砲スチロールを切断すると、あんなかっこいい音がするんですね。ザンッ!って。 「あ、あ、穴山ぁぁぁっっ!」 「あ、あ、浅井(あさい)くんっ!だ、大丈夫!ぼ、ぼくは大丈夫です!無事であります!」 体をすくめたおかげで、セーフでした!そう言って膝を伸ばすと、頭半分が吹っ飛んだこっふんの中からぼくの頭がこんにちは、という状態になりまして。
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