夜空の頂上

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夜空の頂上

ベッドに身を投げ出すと、意識はたちまち明確な形を失った。 胸の底から息を吐き出す。 そうして初めて、私は自分自身が酷く疲れていることを意識した。 壁を打つ雨音が、暗い部屋を押し潰すように低く唸る。 轟音の雨は、私の息遣いを掻き消そうとする悪意に満ちていて、疲れきった体を芯まで凍えさせた。 頭の中に雨音が浸み込んでくる。 私はもう、今日一日に何があったのかさえ、うまく思い出せない。 手繰り寄せた毛布に頬をうずめ、窓に染みつく闇夜を何となしに眺めた。 魔物でも住んでいそうな程に、茫漠とした黒。 不意にその深淵へと連れ去られてしまいそうだ。 気分が悪くなり、私は目を閉じる。 両手で(まぶた)を覆い隠し、脳を休ませる。 ざわめきの中に静寂が溶け込んでいる。
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