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「うぎゃあああああああああああ!!!!!!」
物凄い速さで追いかけてくるケンタウロスとゼェゼェ言いながら必死に逃げるタメタ。
なっ、なんでこんな厄介なのに追われてるんだ……。
タメタが唖然とする僕達を見つけ、僕達の元に駆け寄ってくる。
もちろんケンタウロスも。
「ってぇ!こっちに来るなぁぁ!!!!」
僕達もこの恐怖の鬼ごっこに巻き込まれた。
僕らも猛ダッシュして逃げる羽目になってしまったじゃないかぁ…はぁ、はぁ……。
「ごめぇん!!ランちゃんとカンくんならなんとか出来るかなって」
「………無茶言うな」
そう言う割には以前木屑を槍にしたりしてたよね!?
その上、息切れせずに何事もなく走るなよ!
とかとか。
トラブルの連続だったよ……。トホホ。
おっと、思い出に浸ってないで、二人を探さなきゃ。
「おーい、カンテラ~。どこにいるのー。タメタ~、迷子になってたら返事してー」
二人共どこにいるんだー?
「…………なに」
全く気付かない内にカンテラは僕の真後ろにそっといた。
気配を完全に遮断して。
「うわぁっ!?……いつからそこにいたの?」
「修行して瞬発力を鍛えていた。もう薬を飲まされたりはしない」
よっぽどあの時タメタに飲まされた薬液がマズかったのか、はたまたタメタに負けたのが嫌だったのか…。真偽は不明だが、なんか微笑ましかった。
だってカンテラと初めて出会った時とは全然違う顔してたから。
いずれにせよ、努力は怠らないカンテラの右手には剣、左手には砥石があるのが少し気になるのだが…。
もしかして、剣を研ぎながら修行もしてたの!?
「………それが何か」
「……いや、別にいいんだけどさ……」
カンテラ、ホントになんでもアリだな…。
「とにかく、タメタがまだ見つかってないし、村で迷子になってるかもしれないから一緒に探しに行くよ!!」
「…………分かった」
その後、村中の隅から隅までを歩き回ったが着物を着ているファッションセンスのおかしい人は愚か、魔法使いのような格好をしている人は見つからず、村人達に聞いてみても何かいい情報は得られなかった。
「やっぱ村の外に出ちゃったのかな…」
「………あり得る」
「仕方ないなぁ…村のはずれに出て探しに行こうか」
「………おう」
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