#6ドラゴン脱出

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『……………ふっ、甘かったな、我の力はそんなもんじゃない』 奴は僕が振り下ろした剣は力強く腕で白刃どりされていた。 ドラゴンの腕は少しだけ流血している。 嘘だろ………。あとちょっとってところだったのに……。 『ぐぉうりぃやぁ!!!』 「うわぁっっっ!!!!!」 「ランちゃん!!」 ドラゴンは必死に剣を離さず僕は放り投げ飛ばした。 タメタの叫び声が洞窟中に響き渡る。 ドラゴンがトドメを刺そうと僕に近付く。 しかし杖を持ったタメタが僕を庇う様にドラゴンの前に立ち塞がった。 「……あ、アンタなんかにランちゃんを傷付けさせない!!」 やめろ……僕の為にタメタが犠牲になるのは嫌だ……逃げてくれ……タメタ! 「タメタァッ!やめろ!!!君は逃げるんだ!!」 タメタは振り向いて少しだけ微笑んだ。 「ランちゃんに言われて気付いたの、どんなにポンコツでも決してへこたれないって」 タメタ………。 『愚かな小娘が……灰になってしまえ!!』 ドラゴンは口から燃え盛る業火を吹き出した。 一か八か、タメタが呪文を唱えて応戦する。僕は眼を閉じた。 「守れっ!防御の呪文!!シシルード!!!」 熱い!くそぉっ!!やっぱり駄目だったか……ってあれ? 今までどんな魔法を使っても必ず失敗する。それがタメタだった。 でも違っていた。今回の魔法は成功していた。 タメタの杖から小さなバリアが現れ、炎を防いでいる。 バリアと炎が激しくぶつかりあっていて、僕は多少の火花が飛び散っていたので熱いと感じただけなのか。 ドラゴンが更に炎を吹き上げる。 タメタは僕を信じてくれたんだ。僕が信じなきゃどうする。 「タメタァッ!負けるなぁっ!!」 「うぐぐぐぐぐ……………うぉりゃあーーーー!!」
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