3人が本棚に入れています
本棚に追加
#7暗雲スターシャワー
あの後僕達は村一帯を支配していたドラゴンを退治したお陰で村中から感謝されてとっても仲良くなった。
だけど冒険はまだ終わっていない。
村を離れて再び森の中を彷徨っている……しかも現在進行形で。
近くに休める場所は無いし、何時ぞやの敵の組織でも来たらどうしよう……。
「そう言えばさ」
無限に続く森の中を彷徨ってる僕達三人。何か気を紛らわすかのように、歩きながらみんなに質問を投げた。
「あの敵の組織って、一体何が目的なんだろう?」
以前、僕とカンテラが出会ったのはザンコ。
タメタが言っていた情報と辻褄を合わせるなら、''ムキムキのオジサン''の子分だろう。
そんなザンコは自分のことを勇者狩りの使徒と言っていた。
しかし、本当に勇者狩りの使徒ならば、王様を暗殺しようとはしないはずだよね。
そんな王様によれば、晴れの器と対を成す悪魔の秘宝【曇りの器】を使って愛と笑顔溢れるスマイル王国を混沌の地にして、やがて争いが絶えない最低最悪の世界に造り替えようとしているって言ってたけど。
曇りの器は、今は何処にあるのだろうか?
普通に考えれば、アイツらが持っている筈。
でも直ぐに実行に移さないってことは、晴れの器同様にモドングリか何かになってバラバラになっているってことになるよね。王様を暗殺しようとした日に、もしかしてカンテラが曇りの器を壊したってこと?
「さぁな、あの時は王様を守ることに集中していたから深く観察する余裕は無かった」
カンテラが表情も動きも変えず素早く答える。
「タメタはどう思う?以前敵の組織に接触したことあるんだよね?」
タメタの方を向くと、彼女は悩むように頭を上げて、少しだけ一途に思い詰めてから、こう答えた。
「わたしも何が目的で曇りの器を使って企んでいるのかは分からないけれど、組織名だけは聞いたことあろような気がするわ!」
ホントに!?それは有力な手がかりだ。
「それってどんな名前?」
「それがよく思い出せないんだよねえーっと、えーと………あ!ジャズファルトみたいな感じの名前だった気がする!」
なんだよそれ……ジャズなのかアスファルトなのか趣旨が滅茶苦茶だな……はは…。
最初のコメントを投稿しよう!