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よく分かんないけど、取り敢えず僕達はタメタが言った『ジャズファルト』という名前でこれから組織名を呼ぶことに決めた。
「でさ、そのジャズファルトのことなんだけど……」
僕がそのジャズファルトについてみんなに質問しようしたまさにその時だった。
「見っけたぞ、小僧ども!!」
「誰だっ!?」
僕達は声の主を探して森中を見回す。
「べらぼうめ、後ろや」
その声と同時に僕らは後ろを振り向いた。
なっ………。
「嘘でしょ……」
「………30人、か」
そう、僕らの後ろには、なんと総勢30人もの兵士が僕らに敵意の眼差しを向けていた。
その中心には将軍なのかリーダーなのか指示者がいる。
コイツらは王国の兵士とは服装が違う……ってことはもしやコイツらがジャズファルト!?
「ジャズファルト…?おしいけどちゃうちゃう、俺達はスマイル王国の正義の名の下に戦う、ジャズファクトや!ちゃんと覚えとき」
指示者がどこかの国の方言訛りに答えた。
正義の名の下に?冗談じゃない、何が正義だ。
「ジャズファクト…。それが敵の組織の正体なんだな」
「ランタ……見覚えがある。コイツらだ、ザンコの他に王様を襲った奴等……」
やっぱり。コイツら何かしら今の王国に不満を持っていて、曇りの器を使ってクーデターを起こそうとした、ってことだね。
「でも、あの真ん中にいる人は、私が出会ったムキムキのオジサンじゃないよ?」
それもそうだ。もしや彼が本当のリーダーなのか?
僕達の会話に指示者が割って入る。
「ムキムキのオジサン…?サジカム様のことやね」
サジカム……?
「如何にも。我らジャズファクトの偉大なるリーダーじゃい!そんなサジカム様から貴様ら3人を直々に抹殺せいとの命令が下ったんや、よってウチらはアンタらを抹殺をしに来た、という訳じゃい!ついでにウチの名はジャズファクト第二の幹部、ダテクや!覚えとき!!」
ダテクと名乗る男が叫ぶと兵士達とダテクは僕達に剣を向けた。
ヤッバイ……どうしようカンテラ!
「無理だ………この数は勝ち目が無い」
え!?
「逃げるぞ」
カンテラがそう言ったと同時に僕とタメタの手を掴んで走り出した。
「うわぁっ!?」
「いたっ…ちょっとカンくん!?」
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