#5ポンコツ魔法

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#5ポンコツ魔法

今、僕がいるところは洞窟を抜けた先の原っぱから少し進み、近くの村の宿。 昨日は一晩泊まり、朝になって表にでたのだが……二人がいない。 こんなところではぐれたり迷子になることなんて流石に無いと思うんだけど。 いやぁー、でもタメタのことならあり得るなぁ……。 彼女、この村に辿り着くまで何回迷子になったことか。 しかもモンスターに出くわしてすらないのにタメタはいつも騒動を起こす。 例えば……。 「ねぇねぇカンくん!わたし、新しい薬液つくったの!!試しにちょっと飲んでみて!!!」 「………別にいい…」 「いいからいいから!はいっ!!」 うぉっ!?!? あの最強無敵のカンテラの背後に回って無理やりコップに入れた薬液飲ませたっ!? タメタってどうでもいい時は凄いスペック高いな…。 カンテラは背後をとられ、タメタはそのままカンテラにゴクゴクと薬液を飲ませる。 ん?ゴクゴクと……。 「タメタ…」 「ん?ランちゃんどうしたの?」 「ちょっと、でしょ?飲ませすぎじゃない?」 「あっ……うっかり…」 徐々にカンテラの顔が青ざめていく。 「うげっ……クッソォ…マズ…い」 カンテラはバッタリと倒れた。 「カンテラぁぁぁー!!!!!」 これだけじゃない。他にも…… 「おーいタメタ~、タメタ~~!!全く……タメタはどこで迷子になっているんだ?」 「…………もう見捨てよう」 「ダメだよそれは!あんなのでも仲間なんだから!それに彼女は貴重な回復陣だよ?いくらなんでも流石にそれは………ん?なんだアレ?」 タメタの存在意義に物議を醸していたら、目の前に開いた口が塞がらないような光景が広がっていた。
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