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八咫烏のさえずりが響き渡る。
この犯人の名は高田光一という。
殺された男の名は、羽賀由紀夫。某病院で院長を務める羽賀は、高田光一の妻である高田加奈の医療事故による死亡に関与していた疑いのある男であった。
羽賀由紀夫の死因は毒による毒殺。手の平に残されていた傷口から鍼のような鋭いもので傷をつけられ、そこから毒物が体内に混入したものと思われる。
事件発覚当初、高田光一にももちろん警察の疑いはかかったが、しかし彼には犯行時刻の19時00分前後、武蔵野市にあるオフィスビルで警備員と会話をしていたという証言が上がってきた為にアリバイが成立してしまっていた。
また羽賀由紀夫を殺害したと思われる凶器もいまだに発見されていない。
ここまでで、彼の犯行は一見して隙があるようで隙のない犯罪に見える。
だが、しかし。彼の犯行にはある重大なミスがあるのであった。それさえ追及することができれば、八咫烏は彼の復讐を裁くことができるだろう。
時間はまだある。さえずりが響き渡っているうちに、そのミスを見つけ出せれば勝利だ。もう一度、高田光一の行動を見直してみてもいい。さあ、準備はもうよいだろうか。
八咫烏のさえずりが響き渡った。
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