0人が本棚に入れています
本棚に追加
「うわぁああああ神なんてこの世にいないんだぁああああ」
爆死だった。
泣き叫ぶ神ちゃんはうっすらと透けている。ぎょっとした私は必死に宥めた。
「元気出して、ね? きっとそのうち当たるって」
ひっぐひっぐと泣きじゃくっていたが、次第に落ち着いたようで、透けていたのも元通りに戻った。
人体が透ける、という現実離れした現象を見て、ようやく私は神ちゃんが本物の神であるらしいことを受け入れた。存在の維持にセルフ信仰が欠かせない神とかいう、なんとも妙な存在だけれど。
神ちゃんは顔を拭うと重々しい口調で話し出した。
「本当は、課金したいんです」
「……そうなんだ」
これ、どんな顔して聞いたらいい話なんだろう?
私の困惑を余所に、神ちゃんは話を続ける。
「でも、縁結びの神の主席にお小遣いをくださいと言ったら、『神としての務めを果たしなさい。さすれば自ずから手に入るでしょう』と言われ、神社をいただきまして……おにばばぁめ……」
「それでここに急に神社ができたんだね」
働かざるもの食うべからず、みたいなものか。神様の世界も、なんとも世俗的である。まあ、目の前の神様が一番世俗的なのだろうが。
最初のコメントを投稿しよう!