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 何故かわからぬが、頼みに行った先にことごとく取材を断られたのである。  それとなく同業者を探ってみたが、こんな仕打ちをされているのは彼らの新聞社だけだった。  理由が判らぬまま、皆が奔走していたのがここまでのこと。  そんな中、社主自身があらゆるコネと伝手を手繰って行って、ようやくの事に警視庁の関係者、抜刀隊の一員として戦闘に参加していたという人物から話が聞けるかもしれない、と言うところまでこぎつけたのだった。  相手は今日の夕刻なら会えるので、場所を指定して待っていると伝言してきた。  そして、どういうわけか話すべき相手として高村新吾が名指しされた。仲介者の指名だという。 「私でいいのですか本当に、まだまだ私の文章では記事になるとは思えません。うまくまとめる自信がありません」  新吾は不安そうに聞く。それはそうだ、いまだに主筆の加筆なしで記事が書けた試しのない新吾が、このような大事な仕事を任されるのはどうにも不安だ。いや、それ以前に、なんで自分が指名されたのか新吾には全く心当たりがなかった。     
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