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琉地が神父の腹から降り、神父を支え起こすと
ミカエルが 額にキスをして出血を癒す。
朋樹が、青い蝶の気枯れ式鬼を打ち
神父の胸に溶かした。
神父は眼を覚ますと、導かれるようにミカエルに眼を止め、みるみると眼を潤ませて 涙を流した。
ダビが前に出ている間も、夢を見るように
ぼんやりと状況が分かっていたらしい。
「大丈夫ですか?」と、ジェイドが聞くと
「ああ、はい... すみません... 」と
まだ上手く話せないようだ。
ミカエルが神父の背に手を添えた。
長椅子に座ってもらう間に
琉地を撫でて、オレも床から立つと
ニカッと笑った琉地が、タッタと軽い足取りで
後ろの方の長椅子に向かって行った。榊か...
狐姿で離れて見守っていた榊は、琉地が近付いて行くと、クリームの毛色の長い鼻の顔を ふいっと壁側に向けた。
一度そっちに眼を向けたボティスは
普通のツラして こっちに向き直ったし
まあ、オレも ちょっと様子見よかな...
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