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「私と話しをする時のみ、身体に首を繋ぐ。 その際、まず椅子に座る私の目の前で 私の配下に、サリエルの背中をムチで打たせる。 充分に痛みを与え、“もういい” と許してやる。 幾度か繰り返し、ある日、両腕は拘束したまま 頭を胸に抱き締めてやるだけでいい。 聞いたことに答えるようになる」 お...  怖ぇ...  洗脳じゃん... 何にも言えねーし ただ、いい加減 冷めたコーヒーを飲み干した。 「サリエルは、元はウリエルと同体だったが 二人に分かれた後は、月の魂の管理所にいる。 多くは寿命に於ける人間の魂を狩り 罪を犯した天使を堕天させる役割を担うようになった、“死の天使” だ。 人間の死を司り、堕天の権限を持つというのは ほぼ 父の域だ。強大な力ではあるが 堕天使には恨まれ 天使には 敬遠される存在でもある」 確かに、神の域の力だよな。 べリアルは 一度、結露が付き出したグラスを口に運んで、また話し出した。 「一方 ウリエルは、“神の炎” と呼ばれる。 隠府に向かう罪人の魂を、更正のために炎で焼く権限を持ち 最後の審判では、隠府の全ての罪人の魂を 審判の席に座らせる役割を担うことになっている。 現在は、第三天(シェハキム)第五天(マティ)の守護に就いているが かつては、エデンの門番でもあった」 どっちにしろ、裁きの天使って感じだよな。 けど、ウリエルはまだ 天使ってイメージでも サリエルは、死神のイメージがある。 邪視持ちだし。
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