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「ボティス、シェムハザ。 お前達は、こうして食事をしたことが?」と ジェイドに渡されて持った おにぎりの海苔の端を、指で引っ張ってみながら 皇帝が聞く。 いつも 一緒に食ってるけど、鍋のことを聞いてるみたいだ。 「何度か」「俺も最近だが... 」って 二人が答えると、また「ふん」って 鼻から息抜けるような返事をした。 「楽しいのか?」とか、ボティスが聞くと 「味は濃いが」って、ニコ って笑った。 皇帝、楽しいんだ。 おにぎり食ってみて、中身の昆布見つめてる。 座るとこなくて、肘掛けに座った泰河が 小声で「普通の人っぽく見えるな」って言って、 アコが飾り切りした椎茸食う。 うん。今日オレ、まだ皇帝に震えてねーし 普通に見えるよなー。 「普段の食事は?」と ジェイドが聞くと 特に飯食わなくても大丈夫らしいけど 「仕事でなければ、メニューはリリーが選ぶ。 パイやヨーグルトドリンクなど、単品だけ。 パーティーなどはフレンチが多い」ってことで 「俺が好むのは、果実とワインだ」と 答えた。 「仕事?」って 朋樹が聞きながら 鶏モモと小松菜を器に入れてやってる。
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