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「だが、アリエルに 加護は必要だろう」
「外出時が心配だよな」
「一応 僕のロザリオは渡してあるけど
悪魔にしか効果はないしね」
「シェムハザが付きっきりでも、天使が来たらなぁ... 」
「ゾイがいるけど、上級が相手だとキツいよな」
しばらく、アリエルの加護について話し合って
結局「城の外でミカエルに頼む」ってことに
落ち着く。それ以上は ないっぽい。
「ミカエルの加護ならば、天使にも効く」
「アコにミカエルを連れて行かせて
“妻を紹介しろ” と言わせるか... 」
話し合ってる間に、ソファーで あくびが出た。
ベッドで寝ねーと... って思いながら
重たくなった瞼が落ちるのに抵抗してたけど
頭の中も ふんわりしてくる。
リラ、天で目覚めたのかな?
早く目覚めるといいけど...
また あの音だ。
一定のリズムで寄せて返す。
星空。空気は澄んでて、白い息が見える。
海と砂の境で、座り込んだ腰や脚を洗う
うたかたの波が 小さく弾ける音。
がたがたと、骨まで震えるくらいだったのに
もう 寒くない。
閉じた瞼に 光が差した。
開かないけど、明るいことが分かる。
遠くから讃美歌が聞こえる。
明るい瞼の裏に、小さな頃に通った
教会のステンドグラスが映った。天使さま
“どうか” と、くちびるが動く。どうか...
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