♯1

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少女は上がる。 そして翼も穴から上がる。 「ふは~!!案外、振り落とされても何とかなるもんですね!!」 「人を踏み台にしといて言う台詞か!お前は!」 と翼は突っ込んだ。 「え~っと……悪者」 「…一応、助けた奴に対して“悪者”ってどういうことだよ…。」 少女はニヤリと笑いながら 「フッフッフッ…隠そうたって、そうはいきませんよ!だって貴方、“目つきが悪い”から!!」 少女は決め顔でビシッと翼を指差す。 翼はジト目で深い溜め息をつくと 「オレの“目つきが悪い”のは生まれつきなんだが…。」 「…………だって、盗撮しようとしたから!」 「都合が悪くなったら、またそれかよ!じゃあ今、お前が履いてるものはなんだ?」 「ホットパンツです!!」 「自分でホットパンツって言ってんじゃねーか!!」 翼は凄まじく突っ込んだ。 「あ、あの……」 女性が翼に寄る。 「ああ、悪い悪い。『天国』行きのバス停だろ?案内するわ。」 そう言うと翼は無礼な少女を放っておき、女性を『天国』のバス停まで案内する。
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