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すると少女はニヤリと笑い
「はっはーん♪貴方は『悪魔』ですからね…。さてはまた悪さを」
翼は穴の前に到着すると再び目を閉じ、両手を前に突き出すように伸ばし、呪文をブツブツと唱える。
すると魔法陣が表れ、地面が光り出し、再び元に戻っていく。
「はえ~。すごいですね…。」
少女はただただ見物している。そして翼は呪文を唱え終えるとふぅと溜め息をつく。
「これで、“悪戯”は出来なくなったな…。さてと、帰る」
翼は自身の腕を掴むものに気付く。
「帰らないでください!!」
「帰るったら、帰る!!」
先程の無礼な少女だと気付いていたが、翼は彼女とこれ以上は関わり合いたくなかった。
「悪者さ……『悪魔』さん、こんなに美人で可愛い女の子を放って」
「美人で可愛いって…自分で言うのかよ!!つか、さっきからオレのことを“悪者”呼ばわりしてる奴を助けたくねーし、余計に関わり合いたくねーよ!!」
「助けてください!!」
「断る!!」
「やっぱり悪者だ!!」
「人を見かけで判断するような奴に言われたくねーよ!!」
翼は最後の“人を見かけで判断するような奴”に怒気を含んだように言うとギュッと握り拳を作った。
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