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一方、アスタロトと少女はマンション近くの公園で話していた。
「私はアスタロトと申します。悪魔です。以後、お見知り置きを。」
「私は天音…天音白雪です…。信じてもらえると思いますけど、“人間”です。」
アスタロトは一瞬、いかがわしげな表情をするもすぐに真顔になり
「“人間”…ですか。“そういうことにしておきましょう”。」
と意味深長なことを言った。白雪はムスッとした表情でアスタロトを睨む。
「で、白雪さんは翼とどう知り合ったので?」
「それがですね…。私、悪者さ…翼さんにスカートの中を盗撮されてですね」
「お言葉を返すようで申し訳ないが、では貴女は今、何を履いていらっしゃるので?」
「?ホットパンツですよ?」
アスタロトは深い溜め息をつく。
「白雪さん。お言葉ですが、貴女は今、自分の着ている衣服をわかっていながら、何故、“嘘”を吐くのでしょう?」
「だって、翼さんは悪者だから!」
「悪者?翼は貴女に一体、何をしたんですか?」
「何もしてませんよ。けれど、悪者」
「白雪さん。貴女に対して何もしていない者を悪者呼ばわりするのは如何なものかと思いますよ。」
「え…?でも」
「じゃあ、仮の話です。貴女は何もしていないのに知らない人から“悪者”呼ばわりされたら、どう思いますか?」
「酷い!私みたいな美人で可愛い女の子を悪者呼ばわりって酷い!」
「白雪さん。失礼だが、貴女は翼に対してその“酷い”ことを言っているのですよ。」
「!!!」
白雪は驚いた表情でアスタロトを見る。
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