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アスタロトは続ける。
「ええ、偏見ですよ。それは。」
「何で?」
「私も貴女は可愛らしい方だと思います。」
白雪は嬉しそうに頷く。
「ですが、ここからは別です。自分は“可愛いから”、“イケメンだから”、“金持ちだから”、“権力者だから”、“だから何を言っても許される”。人はこれを“偏見”と言います。何故だと思いますか?」
「えー…そんなの“偏見”じゃなくてただの“嫉妬”じゃ」
「“嫉妬”ですか…。じゃあ、これも仮の話です。貴女自身がこの中に“値しない者”だとしたら?」
「だから」
「白雪さん。それを言う前によく考えて、よく想像して御覧なさい。これが本当に貴女の言うただの“嫉妬”だと思いますか?」
アスタロトは白雪に隙を与えない。
「………」
「白雪さん。貴女は本当はわかっているはずですよ。私が言っていることを。それでも私はと言うのなら、少しばかり…翼の過去をお話しましょう。」
そしてアスタロトは静かに話始めた。
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