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レストランはレトロな雰囲気だった。
席についた2人はウェイターからメニュー表を受け取る。
「ご注文がお決まりになりましたら、呼んでくださいませ。」
ウェイターは一礼すると厨房の方へと去って行った。
「ベルゼブブ様…。」
「気にしないで。アスタロト、貴方も好きなものを選びなさい。」
「んじゃあ、俺は“ベル”にしよう♪」
するとベルゼブブの隣に金髪の美少年が座り込んで来た。
美しい白金のボブカットに見える癖毛、空や海のような透き通る美しい碧眼。頭にはアンテナのような大きなアホ毛がふたつある。
精悍な顔つきと少しミステリアスな雰囲気で女性に囲まれるのはしょっちゅうだった。
「げぇっ……何でミカが…」
ベルゼブブは嫌そうなことを言うが、顔は真っ赤だった。
「ベ~~ルちゃ~ん。なあに?その“げぇっ”って?」
「何でもないわよ。大天使ミカエル様。」
その美少年の正体は大天使・ミカエルだった。
「って……いい加減、私に抱きつくのは止めて欲しいんですけど?」
「え~?いいじゃねーか。減るもんじゃあるまいし。ベルだって本当は嬉しいクセに~。」
ミカエルはにこにこと微笑みながら、ベルゼブブにべったりと抱きつく。
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