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すると突然
「きゃあ!!」
翼は悲鳴のする方へと向かう。
するとそこには何故か、泥を被ったように汚れた死人の男女がいた。
「おい!どうした?何があった?」
「そ、それが…」
死人の男性が空を指す。
「そ、空から泥が降ってきて…」
「空から泥が?」
翼は空を見上げるが、それといったものは何もない。
すると死人の女性が泣き出し
「私…このまま…『天国』に行けないの…?」
すると翼は
「あんた達、落ち着け!オレの部屋を貸してやる。今日はそこで寝泊まりすれば良い。ついでに汚れた服も洗ってやるから。」
「で、でもバスが…」
男性も少々慌てているようだ。
「安心しな。バスは今日だけじゃない。毎日ちゃんと来る。そんなに急がなくても大丈夫だ。」
翼の言葉に男女は安心したのだろう。
翼は自身の部屋へと案内し、死人達を招き入れた。
「風呂は最初はあんたから。タオルはここに置いておくからな。汚れた衣服はその籠の中に入れてくれ。衣服はオレが洗っておく。今日の昼間には乾くだろう。」
「ありがとうございます。」
女性はお先にというと風呂場へと向かった。
翼は籠の中を確認すると衣服を取り出す。女性の衣服に付いた泥を落とす為、外にある洗濯機へと向かう。
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