♯3

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翼は女性の衣服に付いた泥汚れの部分に洗剤をかけ、綺麗に汚れが落ちるように衣服に洗剤を揉み込む。 すると翼は自身に向けられる視線を感じ、外を見る。 「………お前、何してんだ?」 翼はジト目で電柱に登っていた白雪を見る。 「翼さんが……女の人の服を……エッチです!」 「………お前はどんな妄想してんだ…。」 と呆れたような声で言う。 すると白雪の頭上に泥のような何かが落ちる。 「な……!おい!」 「つ、翼さん…酷い!酷いですよ!」 「オレがしてねーのはわかってんだろうが!この馬鹿!」 「ば、馬鹿って酷い!美人で可愛い女の子に対して」 ギャーギャー文句をつける白雪をほったらかして、翼は急いで空を見上げる。 すると上空に黒っぽい翼を広げた人物を確認した。手には人が持てるくらいの大きさの小型の大砲を持っている。白雪とはまた違う波長を感じた翼。羽や羽の色を見て『堕天使』だと思った。 「ケケケ……ざまぁ!死んでれば良かったものを……次は」 それは白雪を振り回して落とした堕天使だった。 堕天使は翼を見る。だがしかし 「な…ななな!こ、このオレ様を……このジゼル様を睨みやがって……!」 自身をジゼルと言った堕天使は翼が睨んでいると勘違いし、慌てふためく。 だがしかし、ジゼルは大砲を翼に向ける。
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