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照明を弱く落とした部屋の窓から、街の灯と月明かりが仄かに入り込む。
逃げずに、向き合う。
じゃないと……
きっとこいつとは、もうやっていけないーー。
お互い、身体中の勇気を振り絞って、互いを見つめる。
心のどこかで常に願いながら……怖くてできずにいたこと。
あのゴンドラの中で、初めて向き合った。
初めて自分の心の奥を見つめ……気づいた。
ーーもっと、近づきたいと。
心も、身体も。
吉野の指が、岡崎の肩を静かに引き寄せる。
あの時したように……ぎこちなく、額を近づける。
そうだった。
あの瞬間。
額を寄せたら……額よりも、唇を寄せ合いたくて。
強烈にーー。
「…………」
吉野は、岡崎の瞳を正面から見つめた。
その唇に触れる許可を得るために。
「ーーーー」
見つめ返そうとした岡崎の視線が、急に迷い……俯いた。
吉野は岡崎の視線を追う。
肩にかけた指の力が自ずと増す。
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