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だって僕は、何年か前…ここの海で、高波に襲われて他界したのだから。
当然重ねた手もただ透けるばかりで、切なさが募るだけだった。
僕が他界して、彼女は泣いた、泣き狂った。
そんな彼女を助けた人が、今の彼だという事を、僕は知っている。
だから、彼なら、幸せにしてくれると…。
届かない僕の声。
泣きじゃくる君の声。
…もう、どうすればいいのか分からない。
悔しさがこみ上げてくる。
ふと、側の砂浜の白い砂に触った僕は、ハッとした。
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