15人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんでもないよ」
そう言った彼女の顔は、あの時僕に見せてくれた笑顔のように…太陽みたいに、光り輝いていた。
ああ…やっぱり、一番望むのは、この笑顔を見られる瞬間だ。
「そう。じゃあ、行こうか」
「うん!」
差し出した彼の手を、彼女は掴む。
その途端、心臓が掴まれたように痛がった。
…でも、悲しくはなかった。
安心した。彼女は、一歩を、踏み出せる。
青い車は、海の見える砂浜から離れていく。
最初のコメントを投稿しよう!