落ちてきた

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ひと通り、お風呂の使い方をリリーに教えた紫は、着替えを置きダイニングに戻ってくる。 「ふう、疲れた。」 そのままキッチンへ入り、飲み物を入れソファーに腰を下ろし、テレビを付けた瞬間だった。バタバタと廊下を走る音が聞こえ、リビングの扉が勢いよく開く。 「ユカリ!水しかでないんだけど!」 飲み物を飲みながら扉の方へ目を向けた紫は、目を向けたままの格好で停止する。 紫の視線の先には、布をまとっていない、全裸の… 「何してんのよ!!隠して!」 口の中に入っていた飲み物を吹き出し、大きな声で言った。 「あ、ごめん。でも水が」 そう言えば天使くん人間で言うともう20歳なんだっけ?リリーとの話を思い出しながら紫は、頭を抱える。顔が可愛いし幼いから全く気にしてなかったわ。 「…分かった。今行く」 紫は下を見ないようにお風呂場へ行き、蛇口をお湯に変え、リリーを中に入れる。 「今度出てくる時は、必ず前を隠すこと!良いわね」 「はーい!」 ニコニコしながらリリーはお風呂場に入っていった。 「天使くんのいた世界って、どんなところよ…」 紫は溜息をつく。 そう言えば、羽ってどうやって処置するのかしら…鳥の飼い方やら調べてみようかな。紫はそう考えながらダイニングへと戻った。
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