9人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
「今までは何をしていたの…」
「バ、バイク便で働いてました」
女は身を乗り出してテーブルの上に置いてあったタバコを手に取り火をつけた。
「バイク便ね…」
女はタバコを深く吸い込み煙を細く吐いた。
「うちはクラブよ。わかってる、立派な水商売…。経験はあるの」
風花は小さく首を横に振る。
「ありません…」
女はソファに深く座り直した。
「トシは」
「二十四です」
「生まれは」
「福岡です」
「男は」
「え…」
キャッチボールのような会話を風花は止めた。
「男よ、彼氏はいるのかって聞いてるのよ」
風花は黙って下を向く。
最初のコメントを投稿しよう!