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反射的に私はボストンバッグごと放り投げた。箱の中からガシャンと音が響く。やはり彼女のあの狂気は夢なんかじゃなかった、声をかけるんじゃなかった、旅行なんかするんじゃなかった……後悔が幾つも幾つも押し寄せる。狂った未亡人の影がいつまでも目の前の座席に残っているような気がしてならない。通路に転がったままのボストンバッグの中の――骨箱。
光沢感のある布に覆われた骨箱は降り積もる雪のように白く輝き、通路に横たわって私のことを見つめている。
END
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