プレゼントの中身はチョコより甘く、危ないもの。

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「……ん? あれか? 親戚の子供が来るとかって……」 「そうそう、その話!」 「今日でしたっけ?」 「うん、今日だね」  確かに数日前にそう言う話は聞かされていた。というか、その親戚が俺のところに来て、話をしていったことがあった。  俺の両親は交通事故に遭い、この世にはもういない。  両親が残していったお金と慰謝料で何とか、生活を保てている。  俺の周りには祖父母も親戚もいない。頼れる身近な大人がいなかったが、小さいころにしかあったことのない親戚が来てくれた。  保護者になってくれるそうで、それと生活費も出してくれるそうだ。  話が出来過ぎていると思ったが、真剣な表情で話をしてたので俺は頷いた。  しかし、それと引き換えに、ある人と過ごすことになったのだが―― 「その人があなただったんですね。夜空さん」 「おっ、私のこと知ってるんだ!」 「そりゃあ知ってますよ。学校の有名人じゃないですか」  まさかまさかの学校一の美少女ときた。  彼女は首を振り、 「そ、そんなことないって!」  俺は少し考えて、訊くことにした。  確かに、夜空あゆが俺のいとこということにも、これから同じ屋根の下で一緒に過ごすことになる相手が彼女だと思わなかった。正直、ものすごく驚いているが、  世界にはもっと、驚愕することもあって。 「じゃあこのパンツは何ですか!? 唐突に話変わりますけどッ!」  自分でツッコミながら、持っている白いパンツを前に出した。  今思ったけどさ、パンツ持ってるんだよね。それも女性もの! すごいよね!!  ってか、よく自我を保ててるよな。同級生のパンツを持ってさ!  まあ僕は紳士なので。ええ、人のパンツで興奮なんてしません。驚きはしますが。  それを見た彼女は「それはね~」と軽い感じで、 「今日ってバレンタインデーじゃない? けど、私そのこと忘れてて、チョコ作り忘れてたの」  ――はい。 「どうしようかな~って思ってたら、『そうだ、パンツがあるじゃないか』って――」 「ちょっ、ちょっと待ってくれ!? えっ!? 今なんて!?」  聞き間違いだろう。この人がものすごく変態に聞こえる!  彼女は小首をかしげながら、リピートする。 「ん? だからね、チョコ作り忘れちゃったの」 「はいはい」 「その代わりになるものはパンツを置けば――」 「意味わかんねえ!!」  なるほど。これが本物の〝変態〟か……さすが、理解できないな。
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