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この街にある小学校は2つ、黄泉北と黄泉南小だ。学校も授業は開かれているけど出欠は自由。外と違って教育自体はあまり重要視されていない。
照明の暗い廊下を進む。何度復旧させても原因不明で電力供給が少なくなる。仕舞いにはそのままに放置されている。この街ではそんなことは日常茶飯事なのだ。
小学校に来ると最初に訪れるのは購買部だ。ここでは怪しげなアイテムが販売されている。全体的に暗い・・・黒を基調とした店の色は外の世界ではありえないだろうがここでは普通なのだろう。
街にも売買専門店はあるけど、どこも似たりよったりだ。店によって入荷するアイテムが多少異なる程度だろう。
とりあえず霊魂のレートを確認する。霊魂は日々レートが変動し色によっても価格が異なる。
この街では道すがら浮幽霊等がハッキリ現出するので専用の珠に封じることができる。たいていは黄色で一番簡単に捕えられる。赤は危険が伴う。黒はかなりヤバイ。緑は稀だが不思議な力を持っている。
専用の機械に投入すると売却完了になる。最初はすぐに売却していたけど今は余裕があるのでレートの変動を見て売っている。どの銘柄もたまに高騰するときがあるのだけれど理由はわからない。
黄色だけでも何年もかければ比較的安全にそこそこのお金にはなるのだけれど・・・時間がかかるのを嫌う人はさらに高価なアイテムを求める。そうなるとなると桁が1つや2つは上がる。探索から戦うための霊具、召喚用や入り口の鍵となるアイテム、呪具など様々だ。
この街ではお金の清算はすべてカードで行われる。僕は生徒手帳カードを使っている。学校購買部での売買でポイントがついて少しお得。
このショーケースの向こう側のガラス戸の奥には販売員のおばさんがいるらしいけど誰も見たことがない。たまに黒い影が見えるらしいが実体を見た人はいない。商品はセルフで清算しているし。
購買部での噂が1つある。黒いおばさんだ。
昔、商品を万引きをした生徒がいたらしいけど次の日からそいつは学校に来なくなった。その日を境に購買部ではリアルな子供の人体模型がパーツごとに売られていたらしい。
夜の学校探索でその子と黒いおばさんが購買部奥に入っていくのを見かけた奴がいたとか・・・。他にも奥を調べて帰ってこない者もいるらしいけど・・・あくまで噂だからね。普通に使えばただの売店だよ。
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