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「お? ゴンちゃんじゃないか! ひさしぶりだなあ。何やってるの?」
起き上がった吉宗は嬉しそうに笑って綱吉に手を振った。
「相変わらずゴンちゃんはかっこいいなあ。女子にモテモテだろ?」
「そうでもないさ。吉宗もなかなか男ぶりが上がったじゃないか」
「このボケども! ピンチやいうのに何のんきに挨拶しとんねんアホ!」
その間にもぬりかべ的妖怪は吉宗らににじり寄り、本当にピンチです。
「ちょっと待て吉宗。まずゴンちゃんと呼ぶのをやめてくれ親友」
綱吉は妖怪へ向けた剣先を震わせつつ、困った顔をし始めました。
「いかんなあ。どうにも美しい構えが決まらない。吉宗に見せたいのに」
「このナルシスどアホ! ええからとっとと何かやらんかいグズ!」
「よし。とりあえず妥協しよう。ほげええチェストおおおとぅ~す!」
一瞬、綱吉の剣が雷光を帯び、ぬりかべ的妖怪は真っ二つになりました。
「まずまずだな。今宵の菊正宗もよく切れる。どうだい吉宗君?」
「今昼やん。一瞬でもこいつをかっこいいと思ったウチもアホやな」
安心した吉宗はまた寝てしまいました。ともかく仲間が増えました。
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