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「ほな中入ろ。なんかワクワクしてきたよウチ」
ぴゅーんと飛んで六十塔内に突入したハムは嬉しそうです。
「ちょっと待て。お前は妖精なのになぜ吉宗の手伝いをする?」
愛刀菊正宗の剣先を向けながらゴンちゃんもとい綱吉が聞きました。
「話せば長いよ。ウチもいろいろあるんよ。まあヒマやからってことで」
「そうか。では俺と吉宗が親友になったいきさつを話してやろう」
「キャア! な、なんやねんお前! 妖怪や! 妖怪がまた出た!」
あわてて塔から飛び出したハムは綱吉にすがりつきました。
「よし。では再び菊正宗のさびにしてやろう。っふ。決まった……」
「何自分のセリフに酔っとんねん。ええからちゃっちゃとやれスカタン」
「待てゴンちゃん。そろそろ俺にも見せ場をくれ。二人は下がってろ」
吉宗は対抗してかっこいいことを言ってみました。
「おう親友。期待してるぜ。ひさしぶりにアレを見せてくれ」
「うむ。いっちょやってくるぜ! 二人は世間話でもしてろよ」
意気揚々と吉宗は塔内に駆け込みました。
「ダメだ。俺の必殺技がかわされた。ゴンちゃん頼む」
ひらひら飛んでいたハムは空中でずっこけて地面にぽとりと落ちました。
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