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吉宗は大きなため息をついてハムに言いました。
「ゴンちゃんは無類の犬好きなんだよ。特に柴犬の子犬に目がない」
無数の柴犬子犬に舐められ、綱吉の全身が震え、動きが止まった。
「アホらし。いや、一応助けなアカンか。冒険が終わってまうわ」
吉宗は昇天寸前の綱吉を眺めておろおろするだけで役に立ちません。
「ちっ。ほんならウチが本気出すしかないのう。よう見とけ!」
ハムは何やらつぶやきながら右手を高々と上げました。
「行くで。魔球スーパーボール1号! 犬どもイチコロや! 食らえ!」
両目を真っ赤に燃やしたハムが振りかぶって小さなボールを投げました。
すると子犬たちが一斉にボールを追いかけて綱吉から離れました。
「アカン。久しぶりに魔力を使ったから疲れたわ。後は頼むわ……」
ふらふらと落下するハムを吉宗は受け止めました。
「あれ? 一匹残ってるぞ? しかも俺になついてる……?」
吉宗が足元を見ると子犬がじゃれついて離れません。
「ワンワン! 変身わ~んプリズムパワン!」
なんということでしょう。子犬は少女に変身してしまいました。
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