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一行が階段を登ると暗い部屋に不気味な声が響きました。
「ウケケ。美味そうな子供の匂いだわウケケお食事タイム!」
どこからともなく白い糸が吉宗を捕らえ、吊るし上げました。
「なんじゃありゃ? まるっきり蜘蛛の巣やないか! なんやねん?」
「ミケ知ってる! あれは妖怪蜘蛛女のヘブンネット! お兄ちゃん!」
「ウケケ。そのとおりだよ嬢ちゃん。この坊主は丸かじりよん」
そのとき、疾風のように現れた綱吉の菊正宗が蜘蛛の糸を断ち切りました。
「ふん。まるで糸を切るようにたやすい仕事だったぜ……」
綱吉はポーズを決め、髪形を整えました。
「糸切っただけやん。つうか後ろや後ろ! アホンダラ!」
蜘蛛女は綱吉の整えた髪にかじりつき、今にも飲み込もうとしています。
「ゴンちゃん! あの技を使うぞ! 避けてくれよ!」
吉宗はおもむろに右手を自分の口に突っ込み、深くねじ入れました。
「うげっ! うぐおおおごえっぶえぶえウボオオオッッッッ!」
吉宗の口から吐き出された液体で蜘蛛女は蒸発してしまいました。
「必殺! 超強酸性胃液光線これにて終了。強敵よさらば」
「光線? 恐ろしい技や。ウチにはかけんといてな」
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