二人と二匹?

3/5
前へ
/24ページ
次へ
一行が階段を登ると暗い部屋に不気味な声が響きました。 「ウケケ。美味そうな子供の匂いだわウケケお食事タイム!」 どこからともなく白い糸が吉宗を捕らえ、吊るし上げました。 「なんじゃありゃ? まるっきり蜘蛛の巣やないか! なんやねん?」 「ミケ知ってる! あれは妖怪蜘蛛女のヘブンネット! お兄ちゃん!」 「ウケケ。そのとおりだよ嬢ちゃん。この坊主は丸かじりよん」 そのとき、疾風のように現れた綱吉の菊正宗が蜘蛛の糸を断ち切りました。 「ふん。まるで糸を切るようにたやすい仕事だったぜ……」 綱吉はポーズを決め、髪形を整えました。 「糸切っただけやん。つうか後ろや後ろ! アホンダラ!」 蜘蛛女は綱吉の整えた髪にかじりつき、今にも飲み込もうとしています。 「ゴンちゃん! あの技を使うぞ! 避けてくれよ!」 吉宗はおもむろに右手を自分の口に突っ込み、深くねじ入れました。 「うげっ! うぐおおおごえっぶえぶえウボオオオッッッッ!」 吉宗の口から吐き出された液体で蜘蛛女は蒸発してしまいました。 「必殺! 超強酸性胃液光線これにて終了。強敵よさらば」 「光線? 恐ろしい技や。ウチにはかけんといてな」
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加