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階段を登っている間に空腹の吉宗が綱吉の首筋に噛み付きました。
「大変や! そのアホはゾンビやからお前もゾンビになってまうよ!」
「ふっ。親友を助けるためなら食われてもいいぜ。痛い痛い痛い!」
「お兄ちゃん! ラーメンの匂いがする! ばっちいの食べないで!」
階段を登るとそこはミケの言うとおりラーメン屋でした。
「ぐふふ。ちょうどいい出汁の素が来たっぺよ。」
「あいつは妖怪ラーメンの鬼! 捕まると出汁にされてしまうんよ!」
恐怖したハムは震えながら飛び回っております。
「こいつは骨と皮だけでいますぐ出汁にできるっぺよハッハッハ!」
抵抗する気力がない吉宗はそのまま寸胴鍋に放り込まれてしまいました。
「もうどうしようもない……。せめて吉宗出汁のラーメンは俺が食うぜ」
すぐにあきらめた綱吉は微妙なセリフで親友の冥福を祈りました。
「おお? やめろ! やめるんだ小僧! 3日間煮込んだスープが!」
寸胴の中のスープがみるみる減っていきます。空腹の吉宗が飲んだのです。
「ああ……ワシの命の次に大切なスープが……オロロロロン!」
生きる希望を失ったラーメン妖怪は真っ白な灰になって昇天しました。
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